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むかしむかし、夜は漆黒の闇でした。
街灯も無い道を照らすのはお月様の光でした。
29日か30日のサイクルで満ち欠けする月。
夕方西の空に細い眉のような姿を現す二日月や三日月が東の空に出るのは朝7時〜8時頃。
毎日50分程、月の出の時間は遅れて、十五夜の出は夕方の4時半〜5時過ぎ頃。
色も形も、見える時間も見える場所も様々な月。
そのおおよそのサイクルが理解できて、「今はどの辺りにどんな形の月がいるんだな」とイメージできたら、宇宙の中に生きていることが実感できるようになります。
かつて風の香りを感じられた時代の人々にとっては、月の満ち欠けはとても重要な目安でした。
季節を肌で感じ、生き物達と対話しながら、種蒔きや収穫の時を見極める日々の営みには欠くことのできない貴重な情報源だったのです。
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